BASIC DESIGN

優れた基本設計

良いピアノを製作するにあたり弦・ハンマー・響板などの選定はとても重要ですが、基本となるのはフレームの設計です。
どれほど高価な材料や、優秀な人材を世界中から集めても、このフレームの設計に問題があれば、優れたピアノはできません。
〈JF Hessen〉のフレームは冒頭でも述べた〔Feurich Klavier社〕の設計によるもので、2002年より製作され、現在までに高い評価を確立しております。
裏面をアングル状にした特徴的な形状と、フレーム中央を高くしたデザインは、張力に対するバランスも良く、ボルトの穴を響板に一つも開ける事のない、理想的なものとなりました。

Sound Release System

サウンドリリースシステム

アップライトピアノは、音を拡散する響板が後ろの壁側を向き、前面は蓋をされてしまっている為に、本来の美しい音色が内部にこもり、演奏者や聴き手に届きません。
〈JF Hessen〉は、この問題を可能な限り改善すべく、多くの部分に【サウンドリリースシステム】※1を施しました。
これは美しい旋律を 小さな箱の中から外に向けて解放するという意味が込められています。
軽快なタッチと煌めく音色とともに、この【サウンドリリースシステム】を活かし、あなたの手で華麗なる旋律を奏でていただければ幸いです。

※1 自然な形状を保ちつつ、パネル間に隙間を開け、音を外側に向けて解放する機能

ACTION / keyboard

アクション・鍵盤

アクション・鍵盤は、当初ドイツで設計されましたが、より軽快なタッチと反応の良さを追求し、自社オリジナルに変更。製作は現在世界最大のアクションメーカー[Luo Music]により、最先端のNC工作機※2を用いて精巧に作られます。
更にセンターレールも木製からアルミ製となり、アクション部品の取り付け位置など、全ての面で精度は飛躍的に向上。
また気候や設置場所、季節などの環境による影響も受けなくなりました。
子や孫の代まで、末永く使い続けるピアノという楽器にとって、最高の素材選定と言えるでしょう。

※2 Numerically Controlled Machine Tools 設定された数値に従って制御・加工する工作機械。

Music stand

譜面台

ピアノを習う生徒が、グランドピアノを演奏する時と比べ、自宅のアップライトピアノで練習する際、譜面を見るために体が前のめりになってしまう事は、多くの指導者から指摘されていた事です。
これを踏まえて〈JF Hessen〉では、楽譜の位置が弾き手の目の高さになるよう高い位置に配置し、角度調節も無段階にできる機能を取り付けました。
さらに横幅は105cmの大きさ。これはグランドピアノを含めた世界のピアノの中でも最大級です。
演奏の際に用いる楽譜は、製本されていないものを横に並べて使われることも多く、この機能はより大きな譜面台を求める、多くのピアニストの要望に応えたものです。
更に、この譜面台は簡単に取り外す事ができる為、暗譜の際には前面を開放して演奏する事もできます。